ミステリアスな「小狐丸」

現在奈良県の石上神宮に「小狐丸」として呼ばれる刀剣があるようです。「小狐丸」は、平安時代に一条天皇に命じられた橘道成が、京の刀工に、剣道するための刀を依頼したことから生み出された刀剣であると考えられてきました。 小狐丸の生み出されたストーリーにはいくつか、人々によって創作された物語が付随しているようですが、その物語の中では、天皇に献上するための刀づくりを命じられた刀工が、刀づくりに行き詰まり稲荷神社へお参りに来ると、稲荷大明神の化身が子供として現れ、刀づくりを成功に導いたとされているようです。これは謡曲「小鍛冶」 の一説となる物語のようですが、この「小鍛冶」の中での「小狐丸」は、現存しないことが分かっているようです。ですが現在の奈良県の石上神宮の「小狐丸」のように、小狐丸の名前が付けられているか店は複数あるようです。歴史上に残る日本刀の存在には、神話や伝説などといったものが、含まれていることが多いようですが、そのような謎に満ちたミステリアスな謎解きも日本刀の魅力の一つといえるのではないでしょうか。