江戸時代、泰平な世の中では、それまで武器として扱われてきた日本刀が、美術敵な価値観から注目されるようにもなるようです。それまでの時代に、刀剣目利書などとして、日本刀の評価をしてきたものが、目利きから「鑑定」にとって変わるのがこのあたりの時代であるとも言われています。刀剣に関して、「鑑定」という言葉が使われるようになると、美術的な観点からの評価が高まってきているようなのです。また、それまでは、刀剣の切れ味や吉凶を表してきた「目利き」というような表現も、美術的な評価の中での表現としても用いられるようになったようです。これらの書物の中でも、時代ごとに、刀剣の切れ味に趣を重要視するような時代と、美術的な要素を事細かに記述する時代などに分かれてくるようなのです。現代において、刀剣の鑑賞ポイントを示す際には、ガイドブックなどを参考いしてみますと事細かく記述されているのは、その価値が美術品としての傾向が強く現れているのだと実感いたします。